束の間にベッドで夢を見たよ


何がどのようにリンクしているのか全然分からないけれど、こんなに鮮明に辿れるなんてインパクトのある何かがあったのだろう。


何かのツアーに参加していたのだと思う。
畳が何十畳もあるような大広間で休憩していると、駒野君がいた。
やはりというか彼は元気がないように見えた。
一言声でもかけようと思って彼の前に座ると、
ファウンデーションを塗っているのかと思ったら、
そんなにつけてどうするのというくらいベビーパウダーを顎のあたりにつけている。
濃いヒゲが真っ白になって見えなくなるほどだ。
それから、気にすることなんて無いよ。とか、
逆に誰でもが経験できるということのない良い思い出になった。とか、
あのロベルト・バッジョだって外したんだから。などと励ました。
握手を求めたらパウダーまみれのパフを右手に持ったまましようとするので、
普通パフなんかは放してするもんだぜと言うとそれを机に置いたけれど、
それでもパウダーで真っ白な手のまま握手したので
こちらの手も真っ白でサラサラになってしまった。
だけど嫌な感じはしない。
いつの間にか後ろ辺りにヤングカップルの行列ができていて、
携帯で写真を撮ろとしてカメラをこちらに向け始めている。
席に戻ってお茶なんかを飲んでいると、
駒野君が前を歩いて行くところだったので、俺の名前を覚えておいてくれと、
◯◯◯◯、◯◯◯◯と2度叫ぶと、彼も◯◯◯◯、◯◯◯◯と2度叫んで走って行った。


この後全く別のストーリが始まるのだが、その話はまた映画にでもなると思うので割愛させていただきます。何ーじゃそら。


呆然と佇む彼の後ろ姿を今でも忘れられない。